タクシー事情

東京中日スポーツ6月1日付
2005年06月01日
タクシー事情 タクシーに乗る場合のマナーは、もっとも偉い人を座席の奥に優先的に座るようにおすすめしますよね。順番としては1番目に偉い人は奥の席、2番目に偉い人が手前のドアの席、その次に真ん中の席や運転手の横の席となっていますね。

ところが、中国の場合は、優先席は真ん中の席なのです。

それは、もっとも安全な場所だからです。

というのも、中国で使われているタクシーのほとんどが中古車でボロボロな状態。急ブレーキを引くとその勢いでドアが開くことがあるのです。

もちろん、ロック(鍵)をかけていての話です。 北京市の「交通部」では、北京市のタクシーの中古車、3万台を2005年中に入れ替える予定としています。北京オリンピックに向けて、外国人の観光客が増加し、タクシーに乗っているだけでドアが開いて転げ落ちる事故が多発しては困ります。また、タクシーの中に乗っていると、排気ガスが車の中に入ってきて、その量の多さに咳きが止まらなくなります。

中国は、アメリカについで世界第二位の二酸化炭素排出国です。

車の排気ガスが外ではなくて車内にまで充満するのです。出稼ぎ労働者が大半をしめる運転手も直接的に排気ガスを吸っている状態です。

北京市はオリンピックの誘致申請にあたり、2008年の北京オリンピックの大気汚染を、国が定めた基準値まで改善し、環境に関する主要な指標がWHO(世界保健機関)の推奨値をクリアできるようにすると公約していました。しかし、現在の中国の環境はまだまだひどい状態です。

「中国年鑑2004」によると、自動車1台あたりの排気ガスの量は、先進国の10台から15台分といわれています。北京の空気中に含まれるNOxは140ug/m3で東京と比較すると1.5倍で、総浮遊粒子物質では7倍となっています。日本エネルギー経済研究所によれば、都市部の6割以上が大気汚染にさらされているそうです。日本でも高度成長時代において環境問題と取りだたされたことがありましたが、60年代には産業公害問題、80年代に都市公害問題、90年代には地球環境問題と、10年以上の間隔がありました。中国の場合は、この3つの問題がいっきにまとめておきているのです。

中国国務院発展研究センターの調査では、2013年前後には中国の自動車保有台数は1億台を突破すると見られています。そのため米オークリッジ国立研究所の予測では、このままでいけば2010年には中国が二酸化炭素排出国として世界一になると予測されています。

自動車の台数の増加とともに肺炎死亡者数の増加に比例しないように祈ります。 

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