悲惨なスポーツ選手の未来

東京中日
2005年08月17日
 私は、小学生のときはバトミントン部、中学時代はテニス部、高校時代は硬式テニスと合唱部にと、勉強そっちのけで部活動に励んでいました。
 ところが、中国ではスポーツをしている子どもに出会ったことがないばかりか、スポーツの話題すら出ません
 それもそのはずです。学校の授業内容が違うのです。
 朝は8時から学校で授業が始まり夕方は6時までみっちり授業がつまっています。不思議なことに、どこの学校を見渡してもプールやテニスコートやバスケットボールコートといった設備さえも見当たりません。
 それは、中国の体育の授業で習うことはといったら、「太極拳」「マラソン」「カンフー」などといった道具を使わない昔からのものばかりだからです。
 確かに中国では、朝早くからあらゆる公園で40代以上の男女が太極拳に励んでいます。太極拳さえしていれば、充分な運動になり健康にもいいと考えているのです。
 だからほとんどの中国人はスポーツというものを全くといっていいほど体験したことがないのです。
 農村の貧しい家の出身の子どもが仕方なしにスポーツ選手になるように専門の小学校に行きます。一般の家庭では、しっかりした教育をさせたいために、そんな学校にはいかせません。
 だから、中国では、日本のようにスポーツ選手に対して憧れは抱いていないのです。むしろ同情の目で見ています。
 たとえ、北京五輪で金メダルをもらっても、国や省、市から高額な謝礼をもらうかわりにCMなどの報酬の3割程度を国や選手の指導者にも支払うため、本人には少ししか残りません。
 日本のようにスポーツメーカーなどに所属することもなく、その後は国から公務員として安い給料が支払われるだけなのです。
 共産主義から変わりつつある中国で、民間企業も増え富裕層が増加している中、一方で、選手たちは金賞を取らなければ一生貧しいままなのです。
 誰もがスポーツをエンターティメントとして楽しめるようになったとき、始めて中国という国が豊かになったといえるのかもしれません。

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