マラソン選手だけでない。大気汚染の影響

日刊ゲンダイ「やってはいけないIN中国」
2008年08月22日
 25日からマラソンが始まる。心配されていた北京の空気だが、だいぶ改善された。以前のタクシーは赤色のかなり古い中古車でエンジンをかけ発車するたびに排気ガスが車内に入り堰がとまらなくなった。それが黄色と紺色のデザインの現代韓国製に入れ替わり、排気ガスもようやく車外に出るようになった。
 喘息や気管支炎の原因となるのが二酸化硫黄(SO2)である。二酸化硫黄を排出する主な原因は石炭の火力発電。発電所は旧式のひどいものである。北京市や九州に降っている酸性雨の原因でもある。なんと現在の東京の30倍、2500万トンも排出されている。ましてや平成10年から3割も増加しているのだ。それが、このところの五輪対策による鉄鋼などの工場を停止したことで1割減少したと環境部は伝えている。
中国の環境問題は省庁の縦割りが多いため解決に時間がかかり効果がでづらい。廃棄物処理・循環経済は国家発展・改革委員会、リサイクルは商務部、都市ゴミ処理は建設部に担当が分かれている。中国では都市部ではゴミは焼却するが、ほとんどが広大な土地がかるから埋め立てているのが現状だ。
住宅街のマンション内のゴミ置き場(写真)では分別もなく捨てられていた。中間層クラスが住んでいるというのに。
 環境汚染対策の国家環境保護総局は3月の全人代で環境部に昇格させたことで政策を実行しやすくなったとしているが、中関村など繁華街でうっかり少し口を開けて10分歩くだけで埃が前歯につきざらざらする。歩くだけでも喉が痛くなるのに、走るなんてとても考えられない。選手はマスク対策だけでは不十分。政府も北京市内の車をさらに9割減少させるか、前日に雨を降らせるか、会場やビルの中を走らせるか、大胆な対策がなければ慣れていない選手にはかなりの差がでるはずだ。それ以上に今後の健康上の問題にも影響を及ぼす懸念もある。
観光で行くときも常にミントの飴を舐めたり水を飲んだりすること。10分外を歩いたら10分冷房のきいたビルの中で休むなどして、長時間続けて車の多いところを歩かないことだ。タクシーを捕まえたいときも大道路でなく裏道、小さい通りで探すことをおすすめする。
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