人事異動がかぎ

「日本証券新聞」2007年2月19日号
2007年02月19日
人事異動がかぎ

 1月19-20日全国金融工作会議が開催されました。金融体制改革の基本方針を決める大事な会議です。

 温家宝総理が中心に話をし、華建敏国務委員がまとめていました。そのほかには呉儀副総理、曾培炎副総理、回良玉副総理、周永康国務委員、曹剛川国務委員、唐家.国務委員、華建敏国務委員、陳至立国務委員が参加しました。金融担当であった黄菊副総理は参加していません。金融担当の重大な職務にはつけていないことがわかります。陳良宇前上海市書記の汚職事件が問題になったとき、黄菊政治局常務委員もその関与がうたがわれ香港では「黄菊はクビ」という噂が流出しました。ところがその後も黄菊は昨年末の中央経済工作会議に出席、今年に入り1月9日に行われた中央紀律検査委員会全体会議は欠席したものの、1月25-26日に開催された電力監督管理工作会議には業務を続けていました。

 政策性銀行改革、農村金融体制の設計、国有銀行改革の深化、預金保険制度、多層次の資本市場の建設、外貨投資管理体制改革などが議論された中で農村金融改革については人民銀行の呉暁霊副行長が責任者となっています。人民銀行のトップが遅れている農業改革や農業銀行の改革において、優遇して欲しいという暗黙の期待が伺えます。現在農業関係者のうち銀行から融資を受けることができるのは3割といわれています。そのほかは貧困の中で借り入れも出来ないままの状態が続いているのです。

 中国の人事制度の大きな特徴は、A 社でトップを辞めて、すぐにライバルであるB
社のトップになることが頻繁に行われているということです。もちろんそのトップは国からの天下りであることが多々あるのです。企業秘密を漏らすどころか、いかに政府がA
社とB 社だけでなく各産業においても深くかかわっていることがわかります。

 このような採算性の悪い国有企業の経営方針が続く中、すでに上場した国有銀行改革、特に工商銀行、中国銀行、建設銀行、交通銀行においてのコーポレート・ガバナンスの整備の強化が問われています。また中国農業銀行はいずれ上場することを期待し株式会社化の準備を正式にスタートさせています。農業銀の楊明生頭取によると、06年の農業銀行の営業利益は前年比37%増の581億元、純資産利益率(ROA)は1.16%です。これは、株式会社化の作業を開始した当初の工商銀、中国銀、建設銀の3行平均レベルと同じであるため、順調であるとアピールしています。

 しかし、資産総額は約5兆3600億元、預金残高は17%増の4兆7500億元。貸付残高は11%増の3兆1228億元。不良債権は42億元減り、不良債権率は前年比で2.70ポイント低下しましたが18%とまだ高くなっています。最近では不正融資なども発覚しています。いずれにしても農業と人事の改革をすすめなければ銀行の上場には時間がかかりそうです。
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