新生銀行インタビュー記事

2008年03月12日

大学の准教授、経済ジャーナリストとして活躍する柏木理佳さんは、中国株投資の達人。20代前半でマンション投資と中国株を始めたという経歴を聞くと、さぞやツワモノかと思いきや、始めたばかりの頃は「まったくと言っていいほど、経済や金融の知識がなかったんです」とのこと。ゼロから手探りで築き上げた投資スタイルは初心者にも親しみやすく、多くの投資家に支持されています。今回はそんな柏木さんが、投資というものを意識し始めた経緯から、お話を伺っていきましょう

香港滞在中に中国の経済成長を目の当たりにして株式投資を開始

――柏木さんは中国株投資で成功されたということですが、勝利の秘訣を教えていただけますか?

そうですね……リスクを恐れず、投資の世界に飛び込んだことでしょうか。私が中国株への投資を始めたのは、知人に薦められたからなんです。かつて香港に3年間滞在していたことがあるんですけど、当時の香港には中国株に熱狂している日本人の駐在員がたくさんいました。私にはあまり資金がありませんでしたが、「2~3万円でできる」と友人の駐在員に助言されて、すぐに食指が伸びたんです。それまでは、香港や中国って街は何だかゴミゴミしてるし、人もみんな騒々しいし、早く日本に帰りたい……なんて思っていたんですけどね(笑)。それでも、めまぐるしいほどの経済成長を目の当たりにしていたので、投資をすれば儲かるかもしれない、という嗅覚は働きました。それに、この程度のお金だったら、多少損失を出しても困らないだろうとも思ったんです。

元本割れや値下がりが怖くて投資できない、という方には、私のように余裕資金で少額から投資をスタートすることをおすすめしたいですね。だって、投資信託なんか1万円から買えるんですから。少額から始めて自信がついたところで、徐々に投資金額を増やしていくのが正攻法だと思います。大切なのは、勇気を出して始めてみることです。

私も真剣に中国株の勉強に取り組んだのは、投資を始めてからのこと。実際に投資をしていると、今まで漠然と眺めていたニュースにも関心が沸いてくるんですよ。それから改めて中国株の魅力に開眼し、少しずつ投資額を増やしていきました。結果として中国市場は大きく値上がり。私も少なからず恩恵を受けることができました。

――投資は中国株が初めてだったんですか?

実は、その直前に不動産投資をしています。きっかけは高校卒業後に留学していたオーストラリアでの出来事。初老のご夫婦のお宅にホームステイしていたのですが、彼らの話題がとにかくお金のことばかりだったんです。食事をしながら、家事の合間に、外出先でも、「今後の人生のために、どうやって資金を運用すればいいか」というテーマで延々と話している。当時私は10代で、運用のことなんて考えたこともありませんでした。おまけに実家の両親は、自分達で商売をしていたわりに、「みだりにお金の話をするのは卑しい」という考えの持ち主。私自身も親の影響を色濃く受けていましたから、当初は彼らの会話を耳にするたびに驚かされていました。

ちなみに、私が間借りしていた家も、実はご夫婦が投資の一環として購入したもの。つまり、おふたりは私やほかの留学生の家賃を生活費に充てていたわけです。そのことを改めて認識したとき、急に運用や投資というものが身近に感じられて。これは面白そうだから、私も20代のうちに不動産投資をやってみよう、と思ったんです。

――不動産投資となると、株や投資信託に比べてたくさんの資金が必要ですよね。どのようにして資金を蓄えたのでしょうか?

ボーナスやら何やらで臨時収入が飛び込んできたとき、思い切って全額を頭金に充てました。それまではなかなか貯められなくて。留学を終えてから、香港を拠点とするキャセイパシフィック航空で客室乗務員をしていたのですが、世界中を旅すれば、楽しみなのは現地でのショッピングですよね(笑)。

いっこうにお金が貯まらず、不動産投資への夢を諦めかけていた矢先に、ボーナスでまとまったお金が入ってきました。放っておいたら無駄使いしてしまうと自覚していたので、すぐに決断。それが24歳のときです。購入したマンションは、近所に新しく駅ができたときに値上がりしたので、うまく売却することができました。

今となっては、20代でいきなり不動産投資だなんて、ずいぶん思い切ったことをしたな、と感じています。若さゆえの勢いがあったことは否めませんね。会社の先輩に不動産投資で成功している人がいたので、その影響も大きかったです。考えてみると、不動産投資にしろ中国株投資にしろ、みんな身近な人のアドバイスで始めているんですよね。

人脈という情報源&自分の目で見た情報を頼りに投資をしていく

――柏木さんの周囲には、投資にご関心のある方が多かったんでしょうか?

私自身が以前から投資に興味を持っていて、そのことをよく口にしていたので、自然とネットワークができたんだと思います。投資を始めようと思っている方、始めたばかりの方は、周囲に「今、投資に興味がある」「こんな投資信託を買った」なんて宣言してみるといいですよ。そうすれば、同じように投資に興味がある人と知り合う機会が増えて、話も弾むと思います。人脈は貴重な情報源ですから、広げるに越したことはありません。

私は毎年、中国を視察に行くツアーを行っています。数十名の投資家の方と一緒に投資した上場企業を回るのですが、参加者の皆さんは非常によく勉強されていて、中には、ズボラな私と違って400社分もの株主優待券を集めている方や、目ぼしい企業はほとんど見学したというマニアックな方も(笑)。このように、同じ投資家の方々と情報交換していると、目からウロコが落ちるようなことがよくあります。

――情報交換ということは、柏木さんご自身もたくさんの情報を収集されているかと思うのですが、どのようにしてニュースをキャッチされていますか?

インターネットやテレビのニュースは毎日目を通しています。中国株関連だと「人民日報」や「中国情報局」といったサイトは、非常に情報が充実していますね。中国市場は極端に政策に左右されるので、政策にかかわるニュースは入念にチェックします。また、テレビのCSやBSで海外のニュースを見るのも日課です。世界の動きをウォッチしていれば、マネーが次にどこへ流れていくか予想することができる。もし言葉の問題でつまずいても、どんなニュースがトップに来ているかを知っておくだけで、参考になるでしょう。

そのほか、多くの金融機関などのメールマガジンもチェックしています。役立つ最新情報が多いので、携帯に転送して移動時間などに目を通します。

――今、柏木さんが中国以外に注目されている投資対象は何ですか?

ベトナム株ですね。ベトナム人はまじめな国民性なので、サービス業などが発達しそうな気がします。最近は経済成長も著しくて、それまでは庶民的な商店が立ち並んでいた界隈に、突然グッチやシャネルといった高級ブランドのショップが林立し始めたのには驚きました。以前訪れたのがちょうど1年くらい前のことですから、今はさらに開発が進んでいるんでしょうね。とはいえ、まだまだ市場規模は日本の1/100くらい。ゆったりとした長期投資向きでしょう。

ベトナムのほかにはロシア、南アフリカなどに関心があります。いずれも新興国市場ですが、私の基本スタンスは、成長途上にある国を応援するつもりで投資すること。ですから、少々値下がりしても動揺はしません。これが日本株だと、あまりに値動きが乱高下する場合は損切りを考えてしまいますが、新興国の株は乱高下なんて普通。だから気長に見守ってあげることが大切です。もちろん、粉飾決算や極端な業績下方修正を出したときには、冷静に損切りする覚悟も必要ですけどね。

取材後記
女性が憧れる職業を、次々と経験されてきた柏木さん。取材時も華やかな笑顔を絶やさず、お話ししてくださいました。柏木さんによると、投資するときは「10年後の自分を考えて、そのときに何をしたいか考えてみる」ことが大切だそう。さらに、「そのためにはいくら必要なのか考え、どう運用すべきかを検討してくださいね」とご助言いただきました。ちなみに柏木さんご自身は「5年後には次のマンションを買って、10年後には今よりもっと海外に行きたいです。そのために運用していますよ!」とのこと。ここまで具体的なプランを持っていらっしゃるとは、さすがです!



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