地方財政と日本企業

「日本証券新聞」2006年11月13日号
2006年11月13日
地方財政と日本企業
 地方財政と日本企業
 中国経済の問題点として貧富の格差がよくとりだたされています。その原因は地方財政が巨大な債務を抱えているからなのです。
 いっけん中国経済は成長しているようにみえますが、それは北京市や上海市など大都市だけに資金が集中していて、地方では資金の流れそのものがとまっているのです。
 例えば、国有企業の倒産が進み、生涯働けると思っていた公務員がリストラされただけでなく、徴収不足による年金などの社会保障もありません。特に教育の現場にいる小中学校の教員への賃金が未払いや建設プロジェクトなどのインフラの設備にかかった資金についても未払いであることが多く、その貧困さと収賄の件数の多さが際立っています。
 その財政不足を解消するためなのか、日本企業で働いている日本人の個人所得税の追徴課税が行われています。
 申告の仕方が日本と違うため、細かい調査が入った場合、きっちりと証明できない人が多いようです。
 現在、中国では、1億円以上の追徴課税を請求されている人(日本企業)が40社もあるそうです。中国の場合、罰金は3倍以上もとられます。日本企業が狙われやすい理由は、追徴課税された金額をそのまま素直に払うからです。
 中国では、法にもとずいた数字ではなく、中国人と中国人のアンダーテーブルによる交渉力が基本になっているのです。
 また、中国では土地の私有化が完全に認められていないため使用権をやりとりしています。現状は、新規建設用地の60%が違法収用によるなど農村の土地を違法に収用しているケースが多いのです。胡錦濤政権は、こういった体制を払拭するため、地方政府幹部の摘発に乗り出しました。国土資源省が国内の16都市を調査しました。また監察省は、広東省、山西省で幹部8人を処分、3人が刑事責任を問われ、河南省でも同省発展改革委員会主任や鄭州市市長ら4人が降格処分などを受けました。
 いずれにしても地方政府が安定するまでの間は波乱が続くことになりそうです。日本企業もそのことを意識して行動を起こすべきでしょう。
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