中国の広告産業の拡大

「日本証券新聞」2006年12月11日号
2006年12月11日
中国の広告産業の拡大
 今年の紅白歌合戦は視聴率アップのために例年にない若手の歌手を起用していますね。
 このところ日本のテレビ局は全体的に視聴率が下がって苦戦しているようです。それでも大企業の経営状態がよくなれば広告費につながります。今後も広告の影響はますますメディアにのしかかってくるでしょう。
 中国のメディア環境は大きく日本と違います。まずチャンネルの数が欧米並みに多いのです。テレビ局は全国で300局もあり、チャンネル数は3000もあります。新聞はなんと2000紙、雑誌は9000誌以上もあるのです。
 中国で代表的なのがCCTV(中央電子台)です。日本で言えばNHK のような存在です。
 私もCS 放送を通して毎日視ています。でもNHK はBS やCS を入れても6チャンネルくらいしかありませんが、CCTV は10以上もあります。
 また、ケーブルテレビが普及しているので100を超えるチャンネルを見られる家庭も、あります。
 特徴は地域で1社が独占的にシェアを握っていることが多く、広東省では、最大のメディア「南方日報報業」が傘下に7種類の新聞を持ち、テレビ、駅の構内にある看板の広告など幅広く展開しています。
 スポーツ新聞は日本と同様に夕刊紙として駅の売店の前の道路に、そのまま広げて売られています。日本よりも芸能人の噂話やスポーツ選手の事情がとても興味深くとりあげられています。だからなのか、政府系の人民日報などの販売が低下している中で小報(大衆紙)が飛ぶように売れています。
 そういった新聞には広告がたくさん使われています。
 おもしろいのは、収入ナンバーワンは電通で、5億元です。日本企業はあまりいいイメージを送り出していないのに多額の広告費をかけていることがわかります。2位がサーチ&サーチ、3位がTOM 屋外伝媒集団、4位は江蘇大賀国際広告集団と地場産業が続きます。
 「トップ10」の5位にマッキャン・エリクソン、10位には博報堂が入っています。
 中国では大手広告代理店は地場産業を下請けに使います。プライドが高くていつも自分が主人公でいたい中国人の難しい感情を消費につなげるためには、現地の人の気持ちを理解する必要があるためです。それでも今後の広告市場、マーケティングはますます期待できるでしょう。

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