1万以上もする卓球ラケット

サンケイビジネスアイ 1月8日付
2006年01月08日
 中国スポーツ事情②
 卓球選手への憧れ
 乾燥している黄砂の風が、建設中のホコリをさらに巻き上げます
 北京で有名なスポーツ店街、北京体育館の近くの「天壇東門体育館西路」にぶらりよってみました。
 「もっと丈夫で弾力性のある質の高いのに変えたほうがいい球が打てる」
 店員は、体育館で運動をした帰りに剥がれたラケットのシールの張替えに訪れたお客の対応におわれていました。
 4人に1人が卓球をしているという卓球王国の中国では、卓球選手は日本のプロ野球選手と同じくらいの人気があります。
 その証拠に卓球のラケットは壁に賞状を飾るように大事にかけられているだけでなく、わざわざ1メートル以上のラケットも作られています。卓球に対しては国民全体が敬意を表しているのです。
 また、日本ではめったにありませんが、中国では卓球の試合は生中継で放送されています。休憩中には、ルール通りに、選手は卓球台の上にラケットを置きベンチに行きますが、その間、選手のラケットをカメラでアップで撮り、どの選手がどのメーカーを使っているのかを宣伝します。
 「選手と同じラケットで勝ちたい」
 憧れの選手が使っているラケットと同じものを使うことがステイタス、選手=ブラント力なのです。
 「選手の写真がついているラケットが欲しい」と卓球選手に憧れている子どもへのお土産用としても、書店の雑貨コーナーでも、ラケットに選手の写真を貼り付けたものが販売されています。
 数百種類もある卓球メーカーのうち最も有名なのが日本の卓球総合用具メーカーのニッタクと提携している「紅双喜(キョウヒョウ・ダブルハッピネス)です。アテネオリンピックで銅メダルを獲得した王励勤(ウァン・リチンオ)選手がPRしていることも後押しして中国市場ではトップのシェアを誇っています。
 選手と提携するといった戦略によってブランド力をつけた現地メーカーは、選手とともに市場でもシェアをがっちりつかんでいます。
 一方で日本のメーカーはというと、「TSP(ヤマト)」は1980年代は人気があったものの、現在は稀に見る程度になりました。世界シェアの5割を占めている「バタフライ(タマス)」でさえ、中国市場ではまだ数%のシェアしか占めていません。
 ちなみに、福原愛選手が所属している全国12チームのトップの「遼寧本鋼」チームは、世界ランキング3位の王楠選(ウァン・ナン)選手、世界ランキング5位の郭躍(グ・ユエ)選手がいます。福原愛選手は25位。
 卓球の実力ともに日本は苦戦しているといえます。

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