時代の流れを見極め、利用する

 世界経済の流れに簡単に飲み込まれてしまう個人の存在。逆にこの時代の流れを見極め、利用することも大事です。
 日本がバブルのとき、私は香港で働いていました。外国語ができなくても多くの日本人OLが現地採用された時代。彼女たちは「今は日本語しかできないけど、ここにいれば外国語を話せるようになる。それから帰国すれば、今より給料がよくなる」と夢を抱いてました。
 ところが言葉もできないうちにバブルは崩壊しリストラに… 続きを読む

空洞化進まぬ産業がオススメ

 米オバマ政権の保護主義をめぐり議論が続いています。
 仮に関税ゼロになれば米国製品が激安で入ってくることになり、すでに価格が安くなっている日本製パソコンよりさらに安いパソコンが米国から輸入されることになります。食品も同じ。大量生産による低価格の加工品などが大量に入ってきます。国産品より安いでしょうから、日本では産業の空洞化が起きるでしょう。直撃を受ける産業では、さらなるリストラが進むことが懸念されます… 続きを読む

今こそ社会に役立つ人材に

 今春大学卒業予定者の就職内定率は80・5%(昨年12月1日時点)で、5年ぶりに前年を下回りました。平均で1・1ポイントの減(男子1・4ポイント減、女子0・9ポイント減)。ところが、北海道・東北地区は5・3ポイント、近畿地区は3ポイントも減るなど、地域によってかなりの差があります。また、短大生の内定率は56・9%と3・8ポイント、専修学校は63・1%と5・7ポイントも減るなど不利になっています。
 ここ… 続きを読む

早期退職のチャンスを生かせ

 オバマ米新大統領の就任式をめぐっても、世界のテレビ局は新政権の政策内容を詳しく伝え、論じていました。
 ところが日本のテレビは、新大統領のスピーチ方法や、パレード中に車から出て手を振ったことなどを、まるでタレントのように報じていました。
 米国で初の黒人大統領ということへの興味が強いのでしょうが、経済面では為替や貿易などで日本が不利になることが懸念され、日経平均株価も急落した現実を忘れてはいけません。
 こん… 続きを読む

内定取り消しは1,000人以上に!?

 大学新卒予定者の内定取り消しは、このままいくと1000人以上に上るともいわれます。
 金融危機の影響がここまで響くとは、と思う方も多いのではないでしょうか? 何しろ大学生が就職活動を始めた昨年の6月までは、半分近くの学生の内定が決まっていました。1人の学生が何社からも内定をもらったり、ある企業の内定を断って別の企業を受けてたりする学生もいたほどでした。私が紹介して内定をもらったのに断った学生に対しては… 続きを読む

正社員も安心できない時代

 「家族で守られている」と従業員が自慢していたメーカーが、業績悪化を理由に解雇を進めています。外資系と違って日本企業は業績悪化でも雇用維持に力を入れるので、外資系のように給料が高くなくても我慢していたはずです。
 日本企業の神話が崩れています。失望感とともに企業への不満が不買運動につながるようなことがあれば、企業には逆効果です。そもそも為替などのリスク管理は製造業として最も備えなければいけない要素でした… 続きを読む

内定取り消しは得策か?

 就職の内定取り消しが続出しています。私が教える学生たちも入社式までびくびくして待機しています。
 内定を取り消した業種は不動産、製造業、飲食・宿泊業などで多いようです。取り消された学生・生徒は当然、ほかの企業の内定を断っていたわけですから大変です。就職活動に際しては、産業動向を見極めることも大切ですが、今回の金融危機による影響は、内定が出た時期には予測は難しかったでしょう。
 厚生労働省が全国のハローワー… 続きを読む

リストラより無給休暇が有効

 金融危機対策として連合は先月13日、厚生労働省に対し「非正規労働者等の緊急雇用対策」を要請するなど、派遣をはじめとする低所得労働者に対する支援意識が高まっています。
 同18日には労働基準法改正案が一部修正を経て衆院を通過しました。施行は平成22年4月です。時間外労働の賃金割増率「25%以上50%以下」について、月60時間を超える部分は「50%以上」に引き上げると定めました。月60時間オーバーというと… 続きを読む

失業率を悲観しすぎる日本人

 金融危機克服と世界経済安定に向けた金融サミットが行動計画を打ち出しましたが、効果が出るには時間がかかりそうです。米国の10月失業率は前月より0・4ポイント上昇して6・5%と、94年3月以来最悪になりました。
 一方、日本でも総務省の労働力調査では、9月の完全失業率は4・0%と前月比で0・2ポイント上昇しています。女性は前月比、前年同月比とも変わりませんが、男性は上昇。特に55~64歳では完全失業者数、… 続きを読む

学ぶなら英語よりリカレント

 急激な円高で、1万円台の海外パック旅行が発売されたり、欧米ブランドの人気がまた高まったりしています。手がとどかなかったイタリアの家具やカナダ産木材の住宅も販売強化されるかもしれませんね。
 平成初頭、私が新入社員だったころを思い出します。でも大きく違う点は、外資系企業の力が弱くなったことです。体力がなくなったため、給料が以前ほど高くなりません。転職しても給与面ではキャリアアップにならなくなります。
 英会… 続きを読む

最低賃金が上がらないインフレ日本

 夜遅くに腰痛でマッサージに行きました。保険のきく整骨院が開いていなかったのです。料金は5000円。時給1000円なら5時間働いたのと同じです。働かなければ腰痛にもならなかった、働いた意味がない、という気分でした。お金がたまらないけど働き続けるか、稼ぎもせず使いもせず欲求も持たずに生きるか。最近の日本はこんな働き方しかできないように思えてなりません。
 外国と比べると日本の最低賃金が低いことがわかります… 続きを読む

在宅勤務制度で介護や育児も解決

 私は東京で働き始めて10年近くになりますが、通勤にはまだ慣れません。毎日往復4時間の通勤は、外国人には「無駄だ」とばかにされるほど。私は中国語会話のテープを聞きながら2種類の新聞を読み、それでも時間が余ります。
 私が勤務していた会社は、在宅勤務制度が充実していました。社員は週に1回、会議に出る義務がありますが、それ以外は自主管理に任されていました。全社員が契約制なので、年次計画を予定どおりこなすのに… 続きを読む

進まぬ女性の育児後再就職

 企業業績の悪化で、ますます労働条件の悪化が予想されます。中でも格差が拡大しているのは女性。今後、女性にとっては、さらに厳しい労働条件下に追いやられそうです。
 総務省の労働力調査によると、女性の年齢階級別労働力率は出産を機に退社し、子育て後に再就職する人が多いため、25~39歳まで落ち込むM字型カーブが特徴です。M字の底になるのは平成7年に30~34歳(この年代の労働力人口の53.7%)だったのが、1… 続きを読む

今の職業「ずれ」てませんか?

 シンガポールで働いているとき、職業意識の違いに驚きました。「学歴」と「職種」による差が明確なんです。欧米型の実力主義である半面、学歴主義も根強く残っています。年功序列ではなく実力主義なため、できる人が転職してきていきなり管理職になることもあります。そのときに必ずチェックされるのが「学歴」や「資格」です。
 大学卒業というだけで必ず出世できるコースが約束されています。資格も非常に高く評価されます。大学進… 続きを読む

専門性高め、不景気の時こそ勝負

 急激な株価下落は私たちの生活も直撃しそうです。企業業績が悪化して倒産件数が増加し、親の会社が倒産して学費が払えないと、やむなく大学を退学する学生もいます。先月から急に月給が1割カットされたと嘆く人もいました。そうでない人でもこの先、賃金面や雇用形態への悪影響は避けられないでしょう。
 むろん、就職先を探している人も不利になります。このところ新卒採用は増えていましたが、次回の採用からは確実に雲行きは悪く… 続きを読む

希望部署への異動は「熱意」で

「やりたい仕事はこの仕事ではない。入社時と話が違う」「こんな仕事させられるとは聞いてなかった」
 私も何度となくこんな気持ちになったことがあります。でも実は、職業人の大半がこんな気持ちで仕事をしているのではないでしょうか? 特に年齢が重なると、異動や転職など挑戦することよりも安定性を求めるようになります。
 そう簡単に転職ばかりするわけにもいかない。だからといってこのままでは本当にやりたかった仕事をやらせ… 続きを読む

年齢オーバーでも合格するコツ (2) ■第2新卒の管理職が有利

 今、求人が多いのが第2新卒だといいます。新卒よりは社会人として電話応対や文書作成などの基本的なビジネスマナーの経験がある人が欲しいということでしょうか?
 いえ、実は管理職の経験のある人材がほしいのです。ここでいう管理職はマネジャーなどリーダーとしての役割のことを指しています。でも第2新卒は一般的に26歳くらいまでをいい、管理職の経験がある人はごくわずかしかいません。結局のところ、求人は多いのに応募で… 続きを読む

年齢オーバーでも合格するコツ (1) ■勉強熱心さをアピール

 「面接で30歳を超えた女性は、使いづらいといわれた」など、年齢によって面接に落ちた知人が愚痴をこぼしました。悲しいかな日本では、特に女性の年齢には非常に敏感です。
 しかし年齢が1歳違うだけで本当に落ちるのでしょうか? 実際に面接までこぎつけた人は意外に合格している人がたくさんいます。例えば私の場合、30歳までという条件に対して1歳オーバーで受験し、合格したことがあります。
 団塊世代の知人は、なんと20… 続きを読む

日雇い派遣禁止は抜本解決ではない

 福田康夫首相の突然の辞任表明で、いつの間にか日雇い派遣禁止の議論が減り、総裁選の話題でいっぱいです。
 さて、日雇い派遣を原則禁止して、本当に低所得者層の雇用安定などの問題は解決するのでしょうか? 厚生労働省の調査では、今後希望する働き方について、日雇派遣労働者の5割弱が「現状のままでいい」と回答しています。
 経済同友会は3日、政府・与党が検討している「日雇派遣の原則禁止案」に対する意見を発表しました。… 続きを読む

異業種へ転職するコツ (2)共通点を探し出す

 異業種に転職するコツは「経験がないから」とあきらめず、共通点を見つけることです。どんな仕事でも1つは共通点があります。それを見つけられれば最大の武器になります。
 証券会社の営業から出版社の営業企画部に転職した知人がいます。一見、異なる業種に見えますが、彼は「売っていたものが株から本になっただけ」と言い切ります。高卒で中小の証券会社の窓口業務から、航空会社の客室乗務員に転職した清水恵子さん(仮名)の場… 続きを読む

異業種へ転職するコツ (1)勉強熱心さをアピール

 「面接で30歳を超えた女性は、使いづらいといわれた」など、年齢によって面接に落ちた知人が愚痴をこぼしました。悲しいかな日本では、特に女性の年齢には非常に敏感です。
 しかし年齢が1歳違うだけで本当に落ちるのでしょうか? 実際に面接までこぎつけた人は意外に合格している人がたくさんいます。例えば私の場合、30歳までという条件に対して1歳オーバーで受験し、合格したことがあります。
 団塊世代の知人は、なんと20… 続きを読む

最低賃金が上がらないインフレ日本

  夜遅くに腰痛でマッサージに行きました。保険のきく整骨院が開いていなかったのです。料金は5,000円。時給1,000円なら5時間働いたのと同じです。働かなければ腰痛にもならなかった、働いた意味がない、という気分でした。お金がたまらないけど働き続けるか、稼ぎもせず使いもせず欲求も持たずに生きるか。最近の日本はこんな働き方しかできないように思えてなりません。
  外国と比べると日本の最低賃金が低いことがわかり… 続きを読む

学歴が高いのに働けない女性

 日本のゆがんだ雇用状況が海外から指摘されました。外国人にとってはなぜ働き盛りの若者がフリーター化しているのか?なぜ仕事ごときが理由で自殺するのか?疑問に思うことばかりでしょう?
 今回、さらに指摘されたのは「学歴の高い日本人の女性がそれをいかして働いていない」「女性の過少雇用は貴重な人的資源の浪費、緊急対策が必要」ということでした。経済協力開発機構(OECD)の2008年版の「雇用アウトルック」による… 続きを読む

飲み過ぎの事故は自己責任

 会社の飲み会に参加後、地下鉄の階段で転落死した男性の労災が認められませんでした。1審は認定したものの2審では判決がくつがえりました。「飲み会が業務といえるのは2時間前後まで。(男性は)通常の通勤ではなく飲酒が原因」とされました。男性は社内の飲み会後も3時間飲んでいたためです。
 酔い具合の時間を2時間と指定する判決は珍しいですが、もし2時間以内であれば同じ状況でも認められたのでしょうか?酔い具合は個人… 続きを読む

30代は鬱病にご注意

 ストレスを外に向ける人の極端な例が秋葉原の殺傷事件だとすると、心の負のエネルギーが内に向かうと鬱病(うつびょう)になります。昨年の自殺者数は過去2番目に多く、その原因の2割近くが鬱病とみられています。
 中でも30代の鬱病が増えているそうです。難しい仕事が増える時期。しかも自分では20代とあまり変わらないつもりでも、体力は確実に衰え始めています。残業続きで判断力もなくなるくらい疲れがたまった状態の人が… 続きを読む

仕事の悩みは殺人事件まで及ぶ?

 東京・秋葉原で起きた無差別殺傷事件。原因の一つとして、犯人がリストラされたと勘違いして自暴自棄になったことが、携帯サイトの掲示板への書き込みからわかります。自分で自分を負け組と決め付けたのも仕事がきっかけのようです。
 もしそうなら、他人事ではありません。とくに派遣社員や契約社員が多い会社では、仕事内容と職場の人間関係がいかに大事かということを改めて考えさせられました。
 契約社員や派遣社員世代は20代か… 続きを読む

時間労働の端数はカット!?

 このところ企業の雇用問題が次々に明るみに出ています。
 大手居酒屋チェーンでは、アルバイトの労働時間について、30分未満の端数を切り捨てるなど、時給を不正に計算していました。この問題を労働基準監督署に内部告発したアルバイト店員はクビになり、解雇は内部告発の報復だとして、解雇の無効を訴えています。同社は不当解雇は否定していますが、不正な時給計算は認めています。
 しかし、こうした問題は氷山の一角なのです。会… 続きを読む

残業代は取り返せるのか?

 日本マクドナルドとトヨタ自動車が「残業代を払うことにした」と発表しました。でも、これまでの経緯を考えると、首をかしげてしまいます。
 「名ばかり管理職」問題に揺れるマクドナルドは、8月から新しい報酬制度を導入し、店長にも残業代を支給するとしています。しかし裁判で争われている“未払い”の残業代は別問題で、払うつもりがないと言います。これまでの残業代を全店長に払うことになったら、膨大な額になるからです。
 し… 続きを読む

抜け穴だらけの派遣法

 先週の「派遣社員は正社員になれない?」のコラムに対して、派遣という立場の苦しさを訴えるメールやお手紙をたくさんいただきました。
 前回述べたとおり、改正労働者派遣法では、3年以上働き続けている派遣スタッフを無視して、同じ部署・職種で新たに正社員を雇用することはできないことになっています。ところが企業は法律の間隙を突いて、まず別の部署で採用し、しばらくしてから派遣スタッフの部署に異動させているというので… 続きを読む

派遣社員は正社員になれない? (1/2ページ)

 40歳のAさんは「派遣歴5年目だけど、もう一生、正社員にはなれないわ」と嘆いていました。というのも、Aさんと同じ部署で新しく正社員を募集しているからだというのです。若い正社員が採用されたら、Aさんが正規雇用される可能性は少なくなりますね。
 でもちょっと待って! 労働者派遣法では、派遣で3年以上働いたAさんと同じ仕事内容で、会社が新しく正社員を募集する場合、Aさんに意思を確認し、優先的にAさんを直接雇… 続きを読む

ちょっとズルい「専ら派遣」 (1/2ページ)

 私がかつて、ある大手企業のA社に「派遣スタッフでいいから働きたい」と伝えたところ、「それじゃ、『Aスタッフ派遣』という子会社があるから、そこに登録して派遣される形をとりなさい」といわれました。「自社の子会社である派遣会社から」というのがミソですね。
 今では3人に1人が非正社員の時代、大企業にはたくさんの派遣社員が働いています。さまざまな人材派遣会社からスタッフが集まっているわけですが、その一方で、多… 続きを読む

働かされ過ぎだと思ったら

 先日、30代の知人が就寝中に心臓性の突然死をしました。彼の死は、残された妻と子供だけでなく、職場の人にもショックを与えました。彼はどうみても過労死だったからです。
 過労死は、長時間労働などによる蓄積した過重負荷や、脳血管疾患、心筋梗塞(こうそく)などの心疾患で急死した場合、死亡前の6カ月間の労働時間により判断されます。労働基準法では労働時間は週40時間と定められていますが、この会社では就業規則を守っ… 続きを読む

ホワイトカラーは残業代ゼロ!?

 私が就職活動を行ったある会社で、年収500万円を提示されたことがあります。「これは残業代は別ですよね?」と聞き返したら、「この会社では残業はしたらいけないことになっているから払えません。残業したければ個人の意思でしてもいいです」というのです。会社は勝手に「毎日ノー残業デー」にして、社員たちは仕事を自宅に持ち帰っているようでした。
 でも、それが今後は当たり前になるかもしれないのです。いま、ホワイトカラ… 続きを読む

あなたは本当に管理職ですか?

 あなたは本当に管理職ですか? 残業代がつかない分、それに代わる報酬をもらっていますか? 私が住んでいた海外では管理職は残業代が払われない代わりに莫大な年収をもらっていました。その代わり実績が悪化すれば翌年は半分に減らされます。
 一方、日本ではこのところ管理職の残業代カット訴訟問題が続出、会社側が支払いを命じられています。「部長になって給料が下がった」と嘆いている人たちは報われるのでしょうか?
 労働基準… 続きを読む